遺言について1.こんな方は遺言を残しましょう

1 遺言者に内縁の配偶者がいる場合

2 先の配偶者との間に子供がいるが、再婚した場合

3 現在別居中で事実上離婚状態にある配偶者がいる場合

4 遺言者について相続人資格者が一人もいない場合

5 夫婦の間に子供がいない場合

6 子供が先に死亡しているがその後も子供の嫁に介護等でお世話になっている場合

7 推定相続人の中に行方不明者等がいる場合

8 事業を営んでいる方が特定の後継者にその事業を承継させたい場合

9 介護・後見が必要な推定相続人がいる場合

10 法定相続人以外の人に財産を譲りたい場合、法定相続人に財産を残したくない場合

11 ペットのことが心配な場合

 

 

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ケース1 遺言者に内縁の配偶者がいる場合

民法上、相続人になる人が決められています(法定相続人)。

配偶者がいれば常に相続人となります。
配偶者のほかの相続人は次の順序で決まります(代襲相続人についてはまたの機会に説明します)。

1 被相続人の子供 2 被相続人の直系尊属(父母など) 3被相続人の兄弟姉妹。

そしてここでいう「配偶者」には婚姻届を出していない内縁関係にある者は含まれません。年金とはちがいますので注意が必要です。

したがって内縁の配偶者に財産を残そうとすれば遺言を書くしかないのです。もちろん生前に贈与することは可能ですが・・


ただ内縁の配偶者に財産を遺贈する内容の遺言をする場合、法定相続人の遺留分(いりゅうぶん)に気をつける必要があります。

遺留分とはわかりやすくいうと、法定相続人(被相続人の兄弟姉妹を除きます)に最低限保障された取り分のことです。

この遺留分を無視した遺言も有効ですが、遺留分を侵害された法定相続人は遺留分を取り戻すことができます。これを遺留分減殺(げんさい)請求権といいます。

したがって、トラブルを避けるためには、遺留分減殺請求権を念頭においた遺言をすることも場合によっては必要になってきます。

ケース2 先の配偶者との間に子供がいるが、再婚した場合

Xさんには前妻Aとの間に子供Bができました。しかし子供Bが幼少のころにAと離婚し、Aが子供Bを引き取ったのでもう何十年もその子供Bとは会っていません。その後現在の妻Cと再婚し子供Dが生まれました。こんなケースを考えてみます。

この場合、仮にXさんが遺言書を残さず亡くなられた場合、相続人は現在の妻C及び子供B、子供Dということになります。法定相続分はそれぞれ2分の1、4分の1、4分の1ということになります。

そして、C、Dは今まで会ったこともないBと遺産分割協議をしなければなりません。現在の権利意識の高まりからしてBは法定相続分を主張する可能性が高いと思います。もめる可能性も十分あります。

Xさんとしては、もし妻C子供Dに財産を多く残そうと思えば遺言書を作ってそのような意思を示さなければなりません。またC、Dに遺産分割協議の負担をかけないためにも相続分の指定だけではなく、遺産分割方法の指定までしておく必要があります。

また、上の1のケースでも問題になった遺留分(法定相続人【被相続人の兄弟姉妹を除きます】に最低限保障された取り分のことです。)がここでも問題になります。したがって、Xさんとしては、Bの遺留分に配慮した遺言書を作成する必要があります。

さらにXさんが健在なうちにBと交渉して、Bに遺留分の生前放棄をしてもらうことも検討すべきでしょう。もしうまくいけばBの遺留分にとらわれることなく、遺言でC、Dに財産を引き継がせることができます。

いずれにせよこのケースでは遺言を作る必要性が極めて大きいといえます。